訪問マッサージの制度と費用(医療保険)

訪問マッサージは、医療保険(療養費制度) に基づいて提供される 在宅医療サービス です。 「リラクゼーションマッサージ」とは異なり、厚生労働省の基準に沿って 施術料・変形徒手矯正術・温罨法・距離加算 が算定されます。

本ページでは、厚生労働省の公的資料に基づき 訪問マッサージの費用と仕組みを “中立的に” 解説します。

出典:厚生労働省「施術に係る療養費」「受領委任の取扱い」 https://www.mhlw.go.jp/

費用の基本構造(療養費制度のポイント)

項目内容(厚労省基準)
施術料 「マッサージ」「変形徒手矯正術」などの施術に対する費用
温罨法 温熱療法(ホットパック等)実施時に算定
往療料 自宅・施設などへ訪問するための費用(距離算定)
距離加算 拠点からの距離が一定以上の場合に加算される
自己負担 1割〜3割(協会けんぽ/国保/後期高齢者などの負担割合)
受領委任制度 利用者は自己負担額のみ支払い、残額は施術所が保険者へ請求

訪問マッサージは “医療保険” のため、介護保険と異なり ケアプランの単位は消費しません。

施術料の算定基準(厚生労働省通知)

訪問マッサージの費用は、厚生労働省が定める “療養費算定基準” に従って計算されます。 金額は以下のような項目から構成されます。

※ 施術料金は全国共通ですが、保険者(国保・協会けんぽ等)によって 取扱いや審査基準に差異がある場合があります。

出典:厚生労働省「施術に係る療養費取扱いについて」(保医発0319第1号)

受領委任制度とは(費用負担を軽減する仕組み)

受領委任制度とは、施術所が利用者に代わって 療養費を保険者へ請求することを認める制度 です。

▼ 利用者のメリット

▼ 制度の根拠

出典:厚生労働省「受領委任の取扱いについて(令和元年7月)」 https://www.mhlw.go.jp/content/000524825.pdf

距離加算について(訪問距離に基づく算定)

往療料に加えて、訪問距離が一定以上の場合に 距離加算 が算定されます。

出典:国民健康保険団体連合会「療養費審査基準」

自己負担額(1割〜3割)

自己負担額は以下のように決まります。

保険種別自己負担割合
後期高齢者医療 1〜3割
国民健康保険 1〜3割
協会けんぽ・組合健保 2〜3割

※ 負担割合は所得や年齢により異なります。